2026.10.29
エッセイ
「ずばり・うれしい・待ち遠しい」
私は、平成6年、船井総研客員経営コンサルタント養成学校に
通って船井流の資格を得た。
最初は期待感が高かったので同期で学んだ方々も積極的だったが、
講師の宮内先生が「一番商品づくり」と言って、
各自の履歴を棚卸する事から始めたので
何か特別なノウハウがあるのかと思っていた仲間が
期待を裏切られたと一人二人とやめて行ったのだ。
確かに、宮内先生の書籍を沢山いただいたが、
それは殆ど「一番商品」に関するものだったので、
つまり、皆が「読んだらなれるのか」と疑問に思った。
私も当時、サラリーマンだったので、部下とお客様訪問する道すがら
「船井総研、いいころ加減、えいやー」
と話していたのを覚えている。
しかし、最後まで付き合わないと入学金がムダになると思い
毎週、金曜日の晩、太融寺にあった船井総研まで通ったのだ。
私の場合、システム会社に勤務していたので、
宮内先生は上辺だけをみたようで「システム」分野は船井にはないので
あまり熱心ではなく、即戦力になりそうな方に注力して
「セミナー開催」や「出版」の話をしていたが、
私は最後まで放っておかれた口だった。
せめてもの救いはアフターフォローで
家具商社の指導現場に参加させてくれて
生のコンサル現場を体験したことだった。
この商社は九州の家具産地のメーカー製品を
各地の家具屋に共同ちらしで販売するという構図であり
実際の家具屋からの現状をメーカーに伝えて
対応する製品づくりをする
という仕掛けであった。
この仕掛けのノウハウは「共同ちらし」なので、
家具商社で商品企画会議をしており、営業員の声を聞いて
そこから集約された企画をマーケットサイズで需要量を算出して
メーカーにロット数を指示していた
という流れがノウハウだった。
これで「メーカー・卸・家具屋」の「三方善し」が出来ていたのだ。
今から思うとこの「三方善し」はユーザーの家具離れによって崩れ
この指導チームも行き詰まったのは事実で、
宮内先生も間もなく退職されて、
自分のお客に直接指導する会社をつくっておられたのだった。
このように振り返ると何の為の入学金で
費やした時間は価値があったのか
と疑問に思うこともあった。
私は、運よく友人から「PL法セミナーを手伝わないか」と声かけられて
このセミナー参加者のフォローの中から
「あなたに頼みたい」
という有難い電話がかかってきたのだ。
このお客様は建設機械メーカーだった。
私は「Fax」を活用する方式を提案して、
ちらし作りの基本「ずばり・うれしい・待ち遠しい」の3つの視点を取り入れ
Fax用の「ちらし原稿」を作成して、
「後工程引き」と名付けた方式でユーザーに一斉送信
のシステム運用を行なったところ
僅か半年で年商16億円が20億円に飛躍するラッキー
が起こったのだった。
「後工程引き」は
ユーザーから販売店、販売店から卸そしてメーカーに注文が来る
という情報の流れであり、
この業界は従来末端まで情報が届くのに半年以上かかっていたが
ユーザーへのダイレクト発信で即効果が実現できたのだった。
「ずばり」は例えば「3個買えば1個おまけ」の「3+1」であり
「うれしい」は最新の情報をダイレクトに送信することであり
「待ち遠しい」は早く使いたいと思って頂くことだった。
実際に他の業界でもこの方式が功を奏しており
営業とは名ばかりで、実際は納品中心の配達屋が多く
お客様との会話は雑談が中心ということが分かったのだった。
そこで「3段活用」として、
まず、Faxでユーザーにダイレクト送信してレスポンスを得る
次に、レスポンスがない客に「ちらし」を手渡して「声掛け」する
最後に「クロージング」して成果に繋げる
という方式だった。
実際、初期レスポンスはイノベータ層で2.5%であり、
関心を持ったが動かなかったアーリーアダプター層13.5%が潜在化しており
この潜在需要を手渡しで拾い出すのだが、
「キャズム(大きな溝)」というのだが、
次のアーリーマジョリティ層へはなかなか踏み込めない16%の壁があるのだ。
私は初期レスポンスの約6倍潜在需要があるといって手渡しをルール化し
ロープレなどで商品知識や現場での事例を学ぶ
ということを指導したのだ。
つまり、イノベータには「ずばり」効いたが
アーリーアダプター層は「うれしい」に留まり「待ち遠しい」を
営業がサンプルや説明会などのツールを使って
現場で引き出すことがポイントだった。
まぁ、船井総研で直接教わった訳ではないが、
ラッキーにも自分流のコツとして身についたと実感している。
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