2026.09.03
エッセイ
「川の魚、池の魚」
私はトヨタ系販売店時代に大恩ある故福井社長から
いろんな事を教わったが
その中に「川の魚、池の魚」という喩え話があった。
「池の魚は敵がいないので太って動きがのろいが
川の魚は常に外的に晒されて筋肉質で素早い」
とおっしゃっており、
「川の魚になれ」
とおっしゃっていた。
例えば、昭和54年(‘79)に
IBMがシステム34を発表してシステム32から更新する時に
「IBMの方が栩野君の為になる」
と言って、富士通よりも1.5倍も高く、
しかも富士通ならパッケージ提供だったがIBMはゼロスタート
という雲泥の差を覆して下さったのだ。
富士通ユーザーが多い同業他社であったが
逆に他社との協調的な「村」的な状況もあったので
「埋没」することから逃れられたのだった。
確かに、トヨタパッケージと言われており、
それを採用していたら即完了だったかもしれないが、
実態的には「何も考えない」存在で
運用だけで「お茶を濁す」という状態で「池の魚」になっていた
と今さらながら思うのだ。
一方、社内だけで付き合いをしていたら
他部署の方々と仲良くなるが話題は会社の悪口になりがちで
何も競争しない「池の魚」になっていたかも知れないのだ。
IBMを選択したのでゼロスタートでシステム開発だったが
前のシステム32はバッチ処理だったが統計処理は出来ており
システム34はオンライン処理を上乗せするだけで済んだ
という継続性の高い機種だった。
各部署のオンライン処理を順次開発して、
同業他社の水準にレベルアップしたのだ。
各業務の開発が終わると余裕が出来て、
IBMがUOSという団体を立ち上げた時に
関係会社が特約店していたこともあって
他業界のソフト開発をするようになり
文字通り「池の魚」となって3年間貴重な経験をした。
この経験の中に
・製造卸様のオンライン費用の削減
・冷凍機メーカーのMRP処理の時間短縮
・大手生保のAPPCによる独自システム開発
などを経験して、その後、
・トヨタとのSNAP方式で処理するTNSを自社開発
・NEP(ネバーエンディングプログラム)による異機種間接続で効率化
・汎用機で営業所システムを構築しデータをシステム36に同期
という風に取得した技術を活用する事ができた。
この頃になると同業他社との交流が出来るようになり
各社自慢のアプリケーションを学び、
それを凌駕するアプリケーションづくりになった。
IBMに「THINK」という社是があり
作った製品をお客様がどのように使うかを考えるのは社員
という教えだそうだが、
同業他社やトヨタのシステム部との交流で
いろんな情報に接して、お互いに切磋琢磨する
という理想に近い環境になり、
各アイデアを収集して、
「如何に自社に取り入れるか」
と考えるようになったのだ。
この原体験を元に「今」があると思っている。
現状という狭い「池」に安住するのではなく
いろんなお客様と接して各社の課題を解決する「川」に入り
固定概念にとらわれずに自由な発想で貢献してきた。
平成7年(‘95年)に創業したが
31年の歴史には上手く行かなかったお客様もあったが、
その度に「Why?」と自問して新しい課題を見出してきたので
「川」というより「急流」の中で生きてきたと思っている。
そして、結構、花開いたお客様に恵まれて
現在、お客様と密接な関係で共存共栄できている
という幸せな状況にいる。
私自身は相談役になり、
徐々に「池の魚」になりつつあるが
このような記事を書く才能がみつかって
新たな境地に向かっているのも事実である。
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