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2026.08.05

エッセイ

「出る杭」

「出る杭」

 

統計学に「正規分布」というモノがあって

例えば、受験生は模擬試験などを受けた結果から

偏差値を算出されて「実力」を推定される

という事は誰もが経験している。

 

このσ(標準偏差)は

・平均値を求める (全データの合計をデータ数で割る)

・偏差を求める ( 各データから平均値を引き、平均との差を算出)

・分散を求める  (偏差を二乗して合計し、データ数で割る)

・平方根を取る  (分散の平方根が標準偏差)

数式:σ = √(1/n Σ(xi − x̄)²)

で求めることが出来る。

 

例えば、製品の質量が平均30g、標準偏差2gの正規分布に従う場合、

28〜32gの範囲に約68%の製品が含まれる計算になり、

これが 1σの性質を端的に表している。

 

難しい統計学を論じる心算ではなく、

マズローの欲求5段階説がよく知られているが、

正規分布で示すと

「生理的欲求」・・・・―2σ以下で約2.5%

「安全の欲求」・・・・―1σ~―2σの範囲で約13.5%

「社会的欲求」・・・・1σ~―1σの範囲で約68%

「承認欲求」・・・・・1σ~2σの範囲で約13.5%

「自己実現の欲求」・・2σ以上で約2.5%

という風に当てはまると言いたいのだ。

 

つまり、中小企業は少人数なので

「自己実現の欲求」を持つ人は、ほぼ皆無で

「承認欲求」の方々を育成することが課題になるのだ。

 

「承認欲求」の人は

「褒められたい」ので少なくとも「存在や行為」を認める

とモチベーションを高める事ができると言われており

一般に「褒めて育てる」という事になる。

 

私はトヨタ系販売店時代に経営企画を担当する際に

「もう、コンピュータは構わないから変わったことをやれ」

と言われたことがある。

 

つまり、自分の得意であるコンピュータという視点ではなく

視野を広げるとか視座を高める

という未体験な要求をされた。

 

ホンマに「ハタ」と困った。

 

しかし、ある時、トヨタのシステム担当者と話す機会があり

何をすれば良いか分からない状況を相談すると

「運」よく国内物流部がJit方式のモデル店を探している

と聞いたので、早速、社長に報告して「手紙」を出して頂き

新車物流改善のモデル店になることが出来た。

 

こうして「視野」が広がると

サービス部でも「サービス・イノベーション(SI)」が始まる

と分かり、SIの推進を経営企画室で行なうようにして

新車物流改善と同時並行で進めることができたのだ。

 

さらに、この2大プロジェクトを進めていると

IBMが「戦略情報システム構築」を提案してくれて

4つの視点で考えるBSC(バランス・スコア・カード)を学び

戦略目標を「高級車販売店になる」と

「視座」を高めることができた。

 

これは単に今までの「縁」から生まれた「運」であり、

たまたま「つき」があったという事だった。

 

多分、「経営企画」を拝命していなければ

コツコツとコンピュータを担当して過ごしてきたかも知れないが

「縁・運・つき」を実感した経験である。

 

よく「アリの眼、トリの眼、サカナの眼」と言うが、

多くの方々は「アリの眼」で黙々と働いており

一部の方は「トリの眼」を持って、全体の状況を把握しており

極一部の方が「サカナの眼」で時流を読んでいる

と置き換えることができる。

 

私の場合、コンピュータのリーダーだったから

少なくとも「トリの眼」を持っていたと思っている。

 

しかし、「視座」が高まり「自己実現」の世界に踏み込み

「出る杭は打たれる」の通り周囲から「浮いた」存在になり、

最終的には諸事情で「高給」を放棄して退職

となってしまった。

 

今から振り返ると同期の経理をしていた方は

黙々と働いて最後に役員になって退職していたので、

ある意味、「社会的欲求」でコツコツが功を奏した

と思っているが、

私の人生も波乱万丈だったが「楽しかった」のも事実で

どちらも「正解」だったと思っている。

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