2026.06.07
エッセイ
「あがってなんぼ」
ゴルフする方はよく耳にする言葉に
「あがってなんぼ」
がある。
一般的にゴルフは18ホールが基準だが、
途中まで良いスコアで回れることがあり、
ついつい、「あと〇〇で行けば、100切れる」
とか計算してしまうのだ。
そう思うと不思議にリズムが狂って
大たたきして惨めな思いをする
そんな経験があるのだ。
故福井社長は
世界グランドシニアを55才で初挑戦して優勝した方だが、
よく「栩野君、あがってなんぼだよ」と言って
コンピュータで低い鼻を高くする私に忠告してくれた。
確かに、何事も終わってみなくては最終結果が分からない。
「万事、塞翁が馬」という格言があるが、
今は逆境にいても「捲土重来」を期して立場が逆転する
というケースは多々あるのだ。
そういう意味でも「あがってなんぼ」を胸にしまっていたが、
一度だけ社長に相談せずに
セミナー講師を引き受けた事があった。
それは、全社オンラインを完成させ、トヨタ物流改善の指導受け
「トヨタ方式」を社内に根付かせた頃、
つまり、平成3年(‘91)5月のGWに
IBMの管理職に自社システムを話して欲しい
と依頼があったのだ。
たぶん、この時、「あがってなんぼ」と忠告されると思ったので
休みを利用するので社長に伺いを出さずに引き受けたのだ。
もちろん、部下も有志が参加したし、社外の方も聴きに来てくれた。
私の話は、システム的にはAPPCという方式で異機種間連携をして
例えば、全社オンラインは9370という汎用機でフロントエンドにし、
新車・サービス・保険などの売上や入金を処理して
APPCで本社のオフコンに同期させるという
オフコンがバックエンドという逆転の発想をしたものだった。
しかし、一番の「みそ」は
「競争原理」x「改善活動」x「見える化」
という3本立てなのだ。
この話をIBMはビデオに撮ってくれて、
2本にダビングして頂き、1本は社長に事後報告で提出
としたのだ。
このビデオは聞くところによると
各地のIBMで研修材料の一つして活用されたとの事だ。
それから1年程して、
台湾のIBMから「馬」という方がわざわざ来社されて、
ビデオを見て貴方の話の通りだ
と賞賛してくれたことがあった。
過去のことを話始めたら「危うい」と言いますが、
この講演は、私のトヨタ販売店勤務の総集編的な意味があり
この時に「テレマーケティング」を宣言して、
翌年、IBMの交換機と連動したシステムづくりが
最後のご奉公になったという思い入れのある物だった。
「あがってなんぼ」だが、平成4年8月に事情あって退職して
関連会社で3年間勤務したが、当初は
役員と課長に挟まれて身動きできない状況でブロックされて
思うように活躍できなかった。
しかし、1年後、営業に回され
オフコン5台、開発1億円の実績を挙げて、
十分ではないが行動の自由を得て、
担当役員の了解のもと
自費で船井流コンサルティングを学んだのだ。
「トヨタ方式」では荷が重いので「船井流」の仮面を被って
平成7年(‘95)に創業して今日に至っているのだ。
「あがってなんぼ」だが、
無事に三男に事業承継できたので「一応、よかった」と
喜んでおり、今後も元気に過ごせるように努力して、
真の意味で「あがってなんぼ」を実感したいと思っている。
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