2026.05.21
エッセイ
「まさか」
人生には3つの坂があると言われている。
「上り坂、下り坂、まさか」
幼い頃は、自身が成長するばかりなので「上り坂」だが、
成長するにつれて世間が広くなり成長が止まったように感じる
ようになる。
幼稚園や小学校では地域が狭いが、
中学、高校と進むにつれて広い地域の人々と接するようになる。
私の経験では高校は同じレベルの人が集まるので
ちょっとのことでは差がつかなくなる上に、
それぞれの個性に合わせて特技が洗練されるのだ。
例えば、インターハイという全国レベルになると
地域でお山の大将を張っていても
他の地域に強豪がいて歯が立たなくなる
というケースが出る。
そして、スランプに陥って「下り坂」になる。
経済でも同じ。
例えば、今のお客様で十分に経営が成り立っているとしても
例えば、街の商店がチェーン店に淘汰されたように、
時代の流れで現れる「まさか」が待っている。
私の場合、31年前に創業した頃は
ウインドーズ95が出たインターネット元年と言われたが、
まだ、始まったばかりだったので、
当時、企業なら100%普及しているFaxは有効な手段であり、
一斉同報システムも普及していたので、
自力でマーケティング支援できるツールだったのだ。
当時は、製造⇒全国卸⇒地方卸⇒小売店という業界の流れがあり、
紙媒体の情報を末端まで届かせるには半年以上の時間がかかる
という状況だったが、
バブルが弾けてデフレに突き進む中、
新規開発した商品を末端小売店にダイレクトに案内することで
商流が速くなり、
例えば、手芸卸が開発して「静電気除電リング」は僅か3カ月で
初期ロット200万個を完売する成果を打ち出し、
普段、営業が顔を出さない地方の店からも注文が来た
という事があった。
この場合、製造卸が律儀に商流を守ったので大きな問題にならなかったが、
中間の卸業者には「まさか」が起こったのだ。
その後、台湾などで商品が作られるようになって、
地域卸がOEMで調達するようになって、
製造卸や全国卸には「まさか」の危機が来たのだ。
そして、インターネットが発達して、
グーグルレンズのような写真で商品が検索できるようになって、
個人が現地から格安で調達できるようになる「まさか」が起こり、
若い人がネット調達するようになったのだ。
つまり、媒体の進化で「まさか」が襲ってくるのだ。
今やAIが登場して、事務職系の仕事が減り、
大企業では事務職から現場系への異動が進んでいるのだ。
また、民事裁判でもデジタル化が始まり、
訴訟結果の予想が例示されるようになるというので、
弁護士でなくても可能になる時代へ進もうとしている。
「士業」という世界にAIの進出が始まり、
専門職の存在に「まさか」が襲い掛かって来るのだ。
こんな風に「まさか」が身に襲ってくるが、
その上に国際政治による「まさか」が加わって、
国家レベルでの危機へも対応する必要がある。
禅の教えの根本は「強く生きる」だが、
このような「まさか」に対しては、
まず、現実を重視してベースを維持することだ。
例えば、老後資金として貯めたお金をどう管理するかが課題。
私の場合、
「衣」も派手なものを欲しくなければ手持ちで間に合う
「食」は自炊を基本にしているので費用的にも抑えられる
「住」に関してはローン完済済みなので維持費だけである
という状況であり、
しかも、
「出場所」として行きつけの喫茶店や所有の事務所があり
「居場所」としてSNSの世界にも広がっている
という環境である。
つまり、健康であれば大きな経費が必要ではなく、
しかも、相談役として少しの収入があるので年金と併せれば
保険の自己負担は2割というレベルにある。
従って、貯金は左程多くはないが郵貯に預けてあり、
フローとしての年金や所得の範囲内で生活が出来る状況だ。
確かに、郵貯に預けるだけでは目減りするというが、
今、株価は円安で好調で「羨ましい」限りだが、
世界レベルの「まさか」が起こり、
円高・株安になるリスクを孕んでいると思うと
確実なのは配当だけと思う。
企業決算でもソフトバンクが株式評価で5兆円の利益というが、
本業の利益が少なければ、リスクを孕んだ利益が膨らんでいる
とも言えるのだ。
まぁ、後期高齢者の小市民なので、
まずはフローで生活できるように健康に暮らしたい
と思っている。
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