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2026.05.06

勁草塾

「バカと呼ばれるまで」

栩野正喜の勁草塾・・「バカと呼ばれるまで」

 

マーケティング理論の中に「イノベーター理論」がある。

 

自然界の分布は正規分布と呼ばれる左右対称のグラフになると言われる。

 

つまり、標準偏差(σ)という尺度があり、

1σから-1σの間に68%が入り

1σから2σに13.5%

2σ以上は僅か2.5%

であり、反対側も同じと言われている。

 

この分布特性から

イノベータ層(すぐに飛びつく)が2.5%いる訳なので、

マーケティング際にレスポンスがある層なので

商品や企画のバロメータになっています。

 

例えば、弊社が実施しているFaxマーケティングでも

このレスポンス数が成否のバロメータになっている。

 

ここで課題になるのは

レスポンス=母数x2.5%

という公式で導かれるので母数が大きい方がよい結果になる

ということだ。

 

仮に、母数=1000ならレスポンスは25だが、

母数=100ならレスポンスは2.5なのでゼロにもなり得る

ということを頭に入れておく必要がある。

 

弊社が「オール電化」推進プロジェクトを担当した時は

関西電力のエリアで2000万契約があるので

イノベータ理論で50万件が即実施する

と計算上分かり、

当時は「オール電化100万件」プロジェクトが始まっており、

関電の自力で80万件まで普及させていた状況だった。

 

つまり、関電が「電化試算」してメリットのある客に総当たりして

イノベータ層を刈り取った後だった。

 

弊社とお客様が奈良の学園前に店舗を出して、

タウン誌を利用して告知活動して

「電化試算」を1000件の申し込みを獲得して、

僅か3ヵ月で40件の「オール電化」を実施できたが、

ここで、大きな壁にぶつかったのだ。

 

それは「オール電化」に魅力を感じるが諸事情で実施しない

アーリーアダプター層の壁だった。

 

つまり、「電化試算」でメリットを提示しても

経済的に躊躇するケースや物理的に設置が難しいケース

の壁を突破することが課題になったのだ。

 

この状況の時に関電の和歌山支店に呼ばれて

「オール電化」推進状況の講演をした際に、若手の方から

「どうすれば、オール電化の契約がとれるのか」

と究極の質問が来たのだ。

 

この支店は管内では「オール電化」推進のトップランナーだったので

イノベータ層やアーリーアダプタター層で成功していたので、

例えば、農協との付き合いなどがあって難しい層が多くなっていた。

 

唐突な質問だったので、一瞬、どぎまぎしたが、

咄嗟に「バカと呼ばれるまでやる事」とシンプルに答えた。

 

 

確かに、地縁のしがらみがあっても、

「オール電化がお客様の為になる」

という信念があれば、あとは「情」に訴えるだけで、

「そこまで言うなら」

と言わせる位の熱意を示すことがポイントと説明したが、

若い人たちは一瞬シーンとしたが、

支店長が「我が意を得たり」と大いに賛同したのだった。

 

つまり、テクニックは既に使い切っている状況なので

非対称戦術つまり熱意がポイントだったのだ。

 

この「バカと呼ばれるまで」が合言葉になって、

支店の皆さんが再度チャレンジして成果を出した

という結果につながったと後日談を聞いた。

 

一般に「人間力」と言いますが、

正義と信じて訴えて来る情熱がお客様の情を動かすのだ。

 

しかし、残念なことに学園前の状況は泥沼化して、

リフォームに目がくらんだ下請業者間の分裂にスタッフが巻き込まれ

正義に戻ることが出来なかったのが事実だった。

 

僅か3ヵ月で40件の成果で華々しくスタートを切ったが、

リフォームという高額商品に目が行き、

電化試算リストはただの紙切れになってしまった。

 

マーケティングで初期の成功が叶ったが、

導入期から成長期に移行することに失敗という事に終わり、

お客様の本業もおかしくなったので撤退となり、

後始末を偏に引き受けた格好になり苦しい時期を過ごした。

 

結局、それぞれの道筋を立てるのに身銭を切ったが、

彼らが今も頑張っているのが一縷の喜びになった。

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