2026.03.24
エッセイ
「浮利を追わず」
バブルが崩壊した頃に住友銀行も経営危機を迎えましたが、
その頃、「浮利を追わず」という言葉が表面化しました。
「浮利を追わず」は
創業者の住友政友が定めた家訓に示しており、
400 年以上にわたり受け継がれて「信用を重んじ確実を旨とする」に並ぶ、
住友経営の真髄と言われています。
「浮利」とは、まともな方法ではない一時的な利益や、
あぶく銭を意味し、「儲け話」に近いものです。
バブルの頃は「財テク」と言われて、
いろんなモノに投資しても大方は「儲かる」
という状況でした。
住友銀行も企業の投資話に積極的融資に動いたが、
バブルが崩壊して巨額の不良債権を抱え、
ついには赤字決算にまで陥ったのです。
エリート集団の銀行でも「儲かる」に振り回される位ですから、
一般企業でも同じ状況でした。
例えば、サラリーマンでありながら
「株」に手を出して巨額の損失を出した
という話をよく耳にしました。
巨額の損失ですから、当然、仕事がおろそかになり退職する方もいました。
「儲かる」の反対は「損する」。
少し「喩え」が違いますが、
「競馬」や「宝くじ」は構造的に「損」するものですが、
それでも、当たった時の「夢」を買っていると言われています。
つまり、「儲かる」という「夢」。
「人」+「夢」=「儚」となるように、多くは儚いものなのです。
最近でも「投資話」で詐欺にあった話がありますが、
多くは最初、甘い汁を吸わせて信じ込ませる手口から始まっています。
人の身体で考えると
美味しいものばかり食べると糖尿病などになるように
「甘い汁」ばかりで健康に暮らせるのか
ということになります。
「天地自然の理」という考え方がありますが、
人間社会もマクロに見れば「調和」が必要になります。
偏ったことはいずれバランスが取れなくなるのです。
一方、「人」は成長すると考えると
「夢」は大きな成長エネルギーをもたらします。
「大志」という「大きな夢」を描けば、
その「夢」を実現する「希望」という具体的な目標が生まれるのです。
「希望」には「羽」があると言いますが、
「目標」が次から次へと現れて来るのです。
「夢」と「希望」と言いますが、
現実的に達成できる「夢」が「希望」と言えます。
つまり、「希望」が叶う度に「夢」は膨らんで行くのです。
この「膨らむ」という「業」が災いして「儲け話」に引っかかるのです。
しかし、「夢」があると人生は楽しいとも言えますが、
「夢」の「元手」はやはり「金」に行きつきます。
この大切な「金」を活かす方法として、
一般的に財産三分法と言いますが、
現金、株式、不動産
に分散する方法です。
現金は預金口座に預けると利息は僅かですがいつでも引き出せますが、
株式は相場があって売ってこそ現金化できるもので、
不動産は借りる人や買う人がいないと儲けにはならないものです。
最近は、NISAなどの少額投資が流行っています。
年利5%で複利だとするとこんなに増え、
しかも、利益は非課税という甘い言葉があるので、
退職金などを運用して老後資金を貯めよう
というケースもあるそうです。
私見ですが、
株式は証券会社の営業員の言うままでは、最終的には損をすると思いますし、
NISAなどの他人が運用する「儲け話」も運用する人だけが得する
と考えています。
最近では、トランプ関税に加えて石油問題が出て経済が不安定化しています。
今まで株式は一本調子に上昇したが、
経済の不安定化で、一挙に下落という状況に陥っています。
ともかく、世界中が「不安定期」に入ったとも言える状況なので、
元本が保証されない投資にはリスクがつきまといます。
リスクを恐れてばかりでは何も変わらないので、
自分なりの投資計画が重要ですが、
「損しても構わない」範囲で行なうことが重要です。
そして、仮に「儲けた」としても華美な生活にならないことがポイントで、
昔、イーモバイルの社長された千本倖世さんは
「1銭をおろそかにすると心がバブルになる」
とおっしゃっていましたが、
「儲け」で華美な生活が身につくと生活が華美になる
とも言えます。
ちょっと蛇足になりますが、
トヨタの指導に「サービス・アブソープション」というモノがあり、
販売管理費を車検とか保険の期日のあるサービスで賄う
という指導です。
つまり、新車販売による利益は「浮利」と考えて、
自社販売車の車検や保険の継続を徹底する指導でした。
期日があるサービスなので計画的に行動ができるのです。
新車に依存すると現場の方は計画できなくなるので、
まず、車検や保険をベースに行動計画を立てるのです。
この日常活動を行なうと「空き時間」が少なくなり、
「小人閑居して不善をなす」
という事がなくなって行くのです。
私の勤めた会社では「量の確保」と言っていましたが、
これを実現する計画的行動として地道な活動を行ないました。
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